2016年2月16日
世界三大料理というとフランス料理、トルコ料理、そして中華料理とされています。
この中でも特に日本人になじみ深いものといえば、やはり中華料理ではないでしょうか。
使用する食材や調味料などは日本人が日頃から使い慣れているものも多く、口に合っているのがその理由でしょう。
ところで、この中華料理はしばしば「炎の料理」ともいわれます。
その理由は、強力な火力で一気に仕上げるというスタイルが特徴的だからです。
しかし、中華料理が現在の「炎の料理」といわれるまでにはいろいろな事情が存在しているのです。
中国は4000年の歴史を持ち、その食の文化は脈々と引き継がれてきました。
けれども、肉や魚はもちろん、野菜でさえ生のまま食卓に出されることはなかったのです。
その理由は、食中毒や食あたりでした。
これは中国に限らず他の国でも同様ですが、現代のように技術の発展していない時代において、食品の温度管理を行なうことは難しかったのは当然です。
食中毒を引き起こすのは細菌やウイルスで、それらは熱を通すことで死滅させることが可能です。
中国人はそれを体験することで見つけ出し、充分な加熱を加えることで食品の安全を得られることを発見したのです。
さすがは食の国中国といえるでしょう。
ところで、中華料理には「飲茶」や「点心」といった軽めの食事も多いのはどうしてだかご存知ですか。
一般的な中華料理は食べきれないほどの量を複数の人たちでシェアして食べるのに対して、これらは中華料理のイメージからはちょっと懸け離れた感じがします。
それなのにこのようなスタイルの料理ができた背景には、西暦60年ころの後漢の時代の中国で都がほぼ全焼するという大火災が起こったことにあります。
この火災によって、当時の中国皇帝は家庭で火を使用することを禁じたのです。
家で調理をすることができなくなった人々は、仕方なくお店で料理を買って帰って家で食事をすることとなり、それが飲茶や点心というわけなのです。
しかしながら、食べ物を家に持ち帰って食べることは当時の衛生環境や保存環境からして決して安全とは言えず、食中毒に繋がったことを想像するに難くありません。
そんな歴史の中で、中国人は「炎の料理」といわれるような加熱による食の安全を確立したといえるのでしょう。