なるみ

酸性やアルカリ性は保存に向いている

一般的に、食品に火を通せば細菌やウイルスが死滅するので食中毒や食あたりを起こしにくいとされています。

それなら生の魚を使用する寿司は非常に危険な食べ物となるはずですが、そこには先人の知恵を活かしてあることから食中毒や食あたりは起こりにくくなっているのです。

まず、寿司に欠かせないワサビとガリ(ショウガ)には優れた抗菌・殺菌効果があります。

いずれもその成分に菌の分裂を阻む働きを持つので、細菌が増えることなく食品の腐敗を防ぐことができるのです。

さらに、酢漬けのショウガであるガリには胃酸を多く出させる効果と胃酸の働きを補助する効果もあるとされています。

加えて、シャリである酢飯が細菌の働きを抑制します。

細菌は食品のアルカリ性または酸性が強いほど活動が抑えられます。

そして強アルカリ性や強酸性では死んでしまうのですが、酢は強い酸性ですからもしネタの生魚に細菌がついていても死滅させることができるというわけです。

もともと寿司は保存食として作られたもので、滋賀県のフナのなれ寿司といった発酵食品が発祥とされています。

発酵食品なら保存が効きますが、現在寿司の主流となっている江戸前寿司では生の魚を使用するために、酢とワサビ、ショウガを使うことで食の安全を保ったわけです。

酸性食品とアルカリ性食品の違いとは

強い酸性食品としてはラッキョウや野菜のピクルスなどがありますが、これらは酢につけることで保存を可能にしているわけです。

梅干しは酢は使っていませんが、酸性と高い塩分濃度によって何年も保存することができます。

コンニャクも腐ったという話は聞きませんが、これは酸性ではなく強アルカリ性であるからです。

ポテトサラダやマカロニサラダなどは家庭で作るとすぐに傷んでしまいがちですが、スーパーやコンビニで売られているものには酸性の食品添加物であるPH調整剤が加えられていることから長持ちするのです。

もちろん添加物といっても人体に問題はありません。

動物や魚は身体が大きいほど酸性に、小さくなるにつれて中性に近くなるとされます。

前述した食品のアルカリ性や酸性が強いほど菌の活性が抑えられるというのは、これにも当てはまります。

したがって食材となった動物や魚、つまり食肉や魚介類も同様のことがいえます。

つまり、クジラ肉→牛肉→豚肉→マグロやクエなどの大型魚→鶏肉→タイやヒラメなどの中型魚→サバやイワシなどの小型魚→貝類の順番で腐りにくいといえるでしょう。